膝痛 2

膝の故障についてさらに詳しく云いますと…
 ・加重によるもの
 ・使いすぎによるもの
 ・外傷によるもの
 以上3つのケースでそれぞれに

・関節の骨・軟骨
・関節胞
・腱、靱帯、半月板
・筋肉の状態
・動作パターン
・筋力の出力調整
・関節の遊び(他関節との関わり) 
 以上(おおまかに)7つの故障を想定すると理解しやすいかとおもいます。

加齢によるもの、は含んでいませんが、そのケースは多くが「運動意欲の低下」がのお話になってくると考えますので、「治したい」「あきらめたくない」のであれば「加齢によるものだからしょうがない」は無視していいでしょう。各ケースについては、原因や切っ掛けそのものなので解説は割愛します。代わりに7つの故障について専門的になりすぎない程度に詳しく解説します。

軟骨:関節のところ、骨と骨の接触面にあたる部分のツルッとして骨本体より柔らかいイメージのところです。加齢や加重の影響で再生力が弱くなったり、負担が大きすぎると骨化といって硬くなり滑らなくなります。その結果は変形や摩擦が起きて炎症の原因となります。加齢でとは書きましたが、昔とは違って健康補助食品やサプリメントなどが充実してきて、価格も下がってきています。万人に効果が望めるものではないですが、確かに効果のあった方もおられます。軟骨が減少していても変形が始まる前ならワンチャンス期待できるかもしれません。

関節胞:いわゆる水が溜まるところ。関節がなめらかに滑るのに大事な潤滑油的な成分が貯留しています。ほかに滑液胞というものもありますが、そちらは次で解説している軟部組織同士のためのクッションです。
炎症をおこすと水分が増え、潤滑液としては薄くなり滑りが悪くなり軟骨の接触面が擦れることになる。また水が増えすぎると、膨らみすぎた風船状になり、表面に多い神経が引き延ばされて酷い痛みになります。
 炎症を治せば関節に水が溜まらなくすることはできます。逆に、たとえば外傷性(転倒による強打や捻挫など)に胞内に出血していると炎症が非常に治り難く、水を(血を)抜くのが治療の最短距離になります。血はけっこう”ばっちぃ”ので抜かないと極端に治りが悪いです。むしろ炎症が悪化します。かつ、胞内のこういった出血に対して体の自浄力は弱い様で、鍼灸治療で対処となると時間が掛かります。

靱帯、腱、半月板:骨同士を繋げる靱帯や筋肉の一部である腱、上下の骨に挟まれてクッションの役割をしている半月板というものがあります。骨のように硬い組織ではないので少々の負担ならばともかくビリッと裂けてしまうことがあります。骨ならばほぼ元通りを期待できますが、こういう組織は単なる自然治癒(放置)にまかせると脆弱化しやすいのが特徴です。よくスポーツ選手が関節の手術をするのは裂けたところを「綺麗にキッチリ歪み無く」繋ぐためです。歩行程度ならば問題なくとも体重の何倍もの負担が発生する運動をするには大きな損傷を自然治癒に任せるのはリスクが大きすぎるからですね。

続きは「膝痛 3」で