腰痛 1

「腰痛は人類の宿命ともいわれている。すなわち、2本足で歩行することによって重い大脳を支え、両手を自由にすることで文明を発達できた人類は、その代償を腰痛で払うことになった。4つ足では体重が脊柱全体に分散されるのに対して、2本足では下位腰椎部を中心に重心がかかるため、腰痛を起こしやすい。」
 (「疾患別治療大百科 シリーズ1 腰痛」より抜粋 )

 たいへん分かりやすい要点です。あらゆる腰痛の原因が表現されているともいえます。とはいえ勉強した人が納得できても、普通はチンプンカンプンでしょう。「膝痛」の投稿を読んだ方なら「膝だって相当に弱そう」と思うかもしれません。

 比較するなら、足は二本で体重を支えますが、腰は体幹一本で支えています。腰は腰より上を支えつつ、腰より下の運動による衝撃を受け止めています。膝は時々で片方が全体重を支えますが、左右交互に作用する一方で腰は常に一つです。また解剖学などを勉強した人ならわかると思いますが、実のところ腰は立っても座っても寝ていても、それなりに負担がかかりやすい構造になっています。

 ひとまず大事なポイントは膝と同様、腰痛も「筋肉疲労程度だからと放置しすぎると、かなりやっかいな故障に進行する」という一点です。

 次回はよくある腰痛の病名を紹介してみます。