膝痛 1

 

 とにかく動かし方によって痛みがでるという以外、どのような状態のなのか自覚しづらいのが特徴。とはいえ、ちょっとの痛みと思って長く放置すると難治性の症状に変わっていることが多々あるので、わからないなりに知識はあると吉です。

ひとまず超簡単に…
 ほとんど場合で「重症の患者」は病院に行ってしまうので、鍼灸院ではあまり遭遇することは稀です。一方で治療室でよくみかける疾患では次のようなものがあります。
 a.外傷性のもの:膝内障
 b.急性炎症:痛風・リウマチ
 c.慢性痛:変形性膝関節症
 d.その他

a.膝内障とは関節各部の損傷のことで、損傷箇所が未確定時点で使われる総称です。スポーツのアクシデントや転倒、事故等によっておこるもので比較的痛みとの因果関係がはっきりしていることが多いものです。痛みと可動域制限が主たる症状になります。急性炎症からはじまるケースと、受傷当時はそれほどひどい痛みがなくて気がつかず、のちに悪化させてしまうケースがあります。
b.原疾患があるもの、という区分けです。特に見かけるのは痛風やリウマチです。痛風の初発は足の母指におきる事が多いので、膝に発症した方はたいがい初めてではないようです。次のリウマチは本当に多種多様です。関節が腫れて変形するのが一般的なイメージだと思います。多くは足指の関節の炎症・激痛からはじまり、徐々に中枢にむかって進行していくようです。
c.慢性症では変形性関節症が圧倒的に多いようです。特に持病が無くとも肥満や運動不足、加齢的要因で関節軟骨が硬くなり、炎症を起こし、すり減るなどの変化を起こします。特に骨の変形まで進めば完全に可逆性(自然治癒の可能性)を失い慢性症となります。
d.最後に変形も炎症も外傷の心当たりもないのに疼痛があるというものです。神経痛や心因性の~などと診断される場合もあるようです。

以上が鍼灸院でよく治療させていただくパターンです。おおむね共通するのは、若い方のaやdのパターン以外では時間が掛かる、またはよくなった後も定期的な治療が望ましいことが多いということです。上記の説明だけでもおわかりかと思いますが、生活習慣の改善なり運動指導などが必要になることが多いからですね。

 続き「膝痛 2」では視点を変えた解説をしていきます。