動かない陽気は邪気 その1

1.流れから取り残された栄養は代謝ののち老廃物と入れ替わる
2.老廃物は毒のようなもの。炎症の原因になることも
3.急激に温める or 持続的な熱が加えられると、代謝の過剰によって1~2と同じ状況が起こりえる

① 東洋医学では常に正気である陰気・陽気と正気に対する攪乱要因を加えて生体を説明します。基本的に陰は静、陽は動を象徴しますが、栄養・エネルギーとしての気はどちらも身体の中を流れていきますから「動」です。あるいは代謝として「変化」と考えます。コレに対して「静」は何かといえば「変化を止めている」あるいは「ストック」ですからグリコーゲンあたりでしょうか。体脂肪も健康の許容範囲において該当します。このほか、陽は温(熱)で陰は涼(冷)など常に対比でみます。
さて、タイトルにある動かない陽気とはなにか?東洋医学では気の流れが悪くなり、そこに一部の陽気が取り残される、と説明されることがあります。この陽気はその局所に悪さをする、というのです。要するに血流が悪いのを想像するところからだと分かり易いでしょう。取り残された栄養はその場で代謝に使われます。生きていますから。そして生きている生物は代謝の結果として老廃物を産出します。老廃物は少量が血中にある分には問題ありませんが、血流の悪いところでは、つまるところ濃ゆくなる。これは生体にとって毒物に近いものです。あまり濃ゆいと、その場の細胞は壊れて炎症を起こします。実際に熱が発生しますから、流れから取り残された陽気だけどやがて熱(の邪気)になるというわけです。

 長くなりそうなので ~②につづく~ とします