筋肉のこりとゆるみ 弾力が大切

 肩こりを訴える方はとても多いです。しかし筋肉をほぐせば良いだけの方は実は少なく感じます。そして自身の筋肉の状態を知らない人のなんと多いこと!認識してほしい筋肉の状態は以下の6段階です。イメージしやすい様に分けてみました。

① 健康な状態。弾力がある。
② 普通に凝っている。硬いが力を入れれば指が入る
③ 凝りすぎ。指がまったく入らない。ここから下は持久力が低下
④ 超凝りすぎ。筋肉の中心部分がスジ張って全体には弛緩している。
 表面上はフニフニ。中がコリコリ。自然回復が困難
⑤ 論外・筋肉が完全に弛緩してほぼ脂肪のかたまりと変わらない。萎縮が始まるかも?
⑥ いわゆる骨と皮状態。筋肉どこへ行った?でも動けてしまう不思議

 一晩で完全回復するのは、なんとびっくり①のみです。②だと自然回復に2~3日かかります。③までいくと若い人をのぞき、自然回復は②で止まることも。そして治療にこられるほとんどの人が②~④です。そしてちょいちょい⑤が混じります。⑥は治療院でみることは稀で、介護施設などでよく診ます。
 肩こりを知らないという人がいますが、治療院でおめにかかるのは④~⑤間の⑤寄りで慢性化してるひとが多いように感じます。肩こりを感じる人は②~④でうろちょろしてる人が多いです。家事か仕事かはともかく、動いていれば仕方ありませんが①~②の間ぐらいまでは改善させましょう。ストレスがまっっっっったく違いますんで!
 ときどき、クイックマッサージ(鍼灸業界では無資格マッサージと呼称してます)のド下手な人に当たると③の筋肉を揉み潰して④や一時的に⑤にしてしまう人がいます。たしかに感覚的には楽になるのですが、実は楽になったのではなく、軽い倦怠感に浸ってるだけです。お酒の酩酊状態を気持ちいとかいうのと同類(?)です。で、⑤→④→③と自然回復すると凝ったと感じて……負のスパイラルです。

 普段から運動をして鍛えてるから大丈夫かというと、これもたま~に「Σ( ゚Д゚) ェッ?」という人がいます。これもそう、や・り・す・ぎ。ちょうど今調整している方によい例があるので紹介すると、休んで技能が落ちること、習得が遅れることを恐れてトレーニング漬になったあげく、筋疲労が重なり代謝が落ちて疲労回復もままならず、若くして手足が氷のごとく。こうなるとどうなるか。
 筋疲労のみならず体力が回復しづらいのはもとより、いざ体重を落としたくても落ちません。下手に食べたらすべて貯金されます(;’∀’) いまから回復するための資源になるからです。そこで、筋トレ系のお稽古すべてお休みしてもらって技能系だけにしてもらい、1週間でちょっと手足が冷凍庫から冷蔵庫ほどに(笑)なって無事2㌔ほど減量できたそうで。ガッツリ鍛えてるのに食事減らして減量できないのは、余分な脂肪が全く無いボクサーか筋肉の代謝が機能してないかです。このケースは明らかに後者だったわけです。あとはリバウンドしないようにしつつ、ゆっくり調整…できるのか?本番いつだっけ?という。
これ読んでたら猛省しつつ頑張ってもらいたいところです。

まぁ、そんなこんなで。話を戻してご自身の筋肉が③~⑤あたりの方はご注意を。クイックマッサージでどうにかなるのは②まで。③あたりになるときっちり治療を意識してもらったほうが体に良いとお考え下さい。立場上表立って言えませんがバイト経験もあるし、自身もクイック受けるの好きなのでリラックス目的ならOKとは思ってますけども。
 とりあえず、筋肉さわって弾力があれば良し、弾力がなければ弱ってる。ちなみに適度な弾力ってどんなのだっ!てぇことになるのですが、中学・高校生の筋肉さわらしてもらうのが一番わかりやすいかな?とは思います。それ以下だと、成長期の筋肉って弾力というよりしなやかという表現が当てはまって、ちょっと違うので。とはいえ一人二人さわってわかるわけでもないので、自分の体を治して体験するのが一番いいわけですけども。

|扉|m・)/シ オマチシテマス!

動かない陽気は邪気 その1

1.流れから取り残された栄養は代謝ののち老廃物と入れ替わる
2.老廃物は毒のようなもの。炎症の原因になることも
3.急激に温める or 持続的な熱が加えられると、代謝の過剰によって1~2と同じ状況が起こりえる

① 東洋医学では常に正気である陰気・陽気と正気に対する攪乱要因を加えて生体を説明します。基本的に陰は静、陽は動を象徴しますが、栄養・エネルギーとしての気はどちらも身体の中を流れていきますから「動」です。あるいは代謝として「変化」と考えます。コレに対して「静」は何かといえば「変化を止めている」あるいは「ストック」ですからグリコーゲンあたりでしょうか。体脂肪も健康の許容範囲において該当します。このほか、陽は温(熱)で陰は涼(冷)など常に対比でみます。
さて、タイトルにある動かない陽気とはなにか?東洋医学では気の流れが悪くなり、そこに一部の陽気が取り残される、と説明されることがあります。この陽気はその局所に悪さをする、というのです。要するに血流が悪いのを想像するところからだと分かり易いでしょう。取り残された栄養はその場で代謝に使われます。生きていますから。そして生きている生物は代謝の結果として老廃物を産出します。老廃物は少量が血中にある分には問題ありませんが、血流の悪いところでは、つまるところ濃ゆくなる。これは生体にとって毒物に近いものです。あまり濃ゆいと、その場の細胞は壊れて炎症を起こします。実際に熱が発生しますから、流れから取り残された陽気だけどやがて熱(の邪気)になるというわけです。

 長くなりそうなので ~②につづく~ とします

こりと痛み

よくある勘違いのお話です。結論から言いますと、こりとは痛みの一形態です。日本語が精妙な表現に富んでるということです。だるい、重い、ジクジクするなど表現が多彩なので時々わからなくなりますが、「痛み」に痛み以外の不快感を絶妙にミックスしたら、そうした表現が生まれます。したがって、肩こりと言うとドクターに「ふ~ん」と受け流される事が頻発しますが、痛いといえばちゃんと聞いてもらえます。だるいや重いも、痛くてだるいの様に痛みを重ねて言うと受け取ってもらいやすいと覚えておいてください。ただし、肩が重い(痛くて重い)と身体が重い(倦怠感)とは意味がまるで違うので、そこは誤解しないでください。嘘はいけませんね。

免疫力の再認識

【 要点 】
1.規則正しい生活習慣
2.血液がキレイであること
3.精神的な余裕は必要

 コロナ禍の中で最も基本といえば感染予防です。方法の基本は3密を避けること、手指消毒、マスク、換気。これらをいかに徹底するかが大事とされています。そしてもう1つが免疫力です。世間ではワクチンに注目が集中しています。否定はしませんが、個人的には肯定もしきれません。抗生物質の服用で高熱を出し、インフルエンザの予防接種でめまいを起こして仕事中に倒れた経験からです。一種のアレルギーかと思いますが、もしコロナワクチンで同様に寝込んでしまったら、どんな風評被害がでるやら・・・。日本にワクチンがはいってきてもしばらく静観の構えになりそうです。

 さて、ウチで免疫力の話をするときには「大事なのは、いかに作業領域が広いか」だと患者さんには話します。体の中には様々な免疫のシステムがあります。ですが、紙の上の計算式とは違い、実際に体の中で病原と戦争しているのが免疫です。空気中はもとよりあらゆる物の表面には細菌やウイルスが微小量ながら付着しています。生物は常にそれらと接触し、免疫システムが攻防戦を行っています。昔に学校の授業でエイズウイルスなんかもそこいらへんに普通にあるよ、なんて聞きました。

さて免疫システムは常に働いているわけですが、免疫が働くのは主に血液やリンパ液、間質液などが介在します。また、ご存じの通り抗原抗体反応などは病原体を無効・無毒化するための抗体を作ることで機能しています。とくにこれは分かりやすく物理的に血液などと共に体を循環して効果を発揮します。つまり作業場の一定割合を占拠します。先ほども述べた通り、そこらへんにいる病原体や、あるいは自分の口内細菌や腸内細菌に対してもです。パソコンのメモリの一部が常にシステム用に割り当てられるように。

本来、血液は時間とともに肝臓や脾臓などで再処理リフレッシュされますが、加齢・疲労やなんらかの病気で体が弱れば、メモリの空き領域はどんどん減っていくと想像してください。動脈硬化でも、ニコチンの作用による末梢血管の収縮でも減ります。空き領域とは血液量と鮮度(?)と考えるとわかりやすいでしょう。人間のこの作業領域は、減ることはあっても増設はできません。だから広さを確保するために、早く寝るとか生活習慣病に気を付けるとか、当たり前の積み重ねがとても重要な意味を持ちます。成長ホルモン(回復ホルモン)は夜10時ごろから分泌されやすくなります。しかし就寝中に、です。帰宅して夕食・入浴→就寝と考えれば、8時には帰宅の途につけ!としたものです。9時を過ぎてコンビニに小さな子供連れの方がいますが、ダメダメですヨ。

さて、血液が~という話ですが、東洋医学では心経・心包経のシステムが血管・血液関係のシステムと強く(メインで)関係していると思っています。この2経に変動が起きると、感覚器に異常が発生するのは東洋医学では常識です。(ここからしばらく独断と偏見です。)また、この2経は上焦(胸)にあり、同じ上焦にある肺臓に影響しやすい。この点から新型コロナは呼吸器の病気ではなく血管・血液の病気と思ったほうがいいのかな?という感想です。この2系は精神的なものを統括するシステム系で心穏やかにあれば安定しやすいところです。逆に言えば、精神疲労や思考活動の過剰はメモリを占有する要素といえます。PCメモリでいうダンプ(ごみ)です。

 以上のことから、要点1~3を上げました。3は社会人にとっては、政治判断が遅すぎるだろう現状、長期戦の覚悟をして早め々々の準備をするしかありませんが、ともかく1~2を徹底して3.お家リフレッシュに励むようにしましょう。

 夜は、はよ帰って寝なさい!